・資格試験: 建築設備士試験
・解答速報&過去問: 過去問と解答速報『資格試験_合格支援隊』
・試験日程: 6月 8月
・ジャンル: 技術系
・資格種類: 国家資格
・難易度別: 難易度B(普通)
建築設備士試験の解説
鉄骨構造
1. 鉄骨部材は、平板要素の幅厚比が大きいほど、局部座屈を生じやすい。
幅厚比は、鉄骨部材の座屈のしやすさを表す指標であり、幅厚比=b/t(b:板幅、t:板厚)で表される。同じ板幅であった場合、幅厚比が大きいほど板厚が小さくなることとなる。板厚に対して、より薄い部材となることから、局部座屈を生じやすくなる。
2. 平鋼の筋かいをガセットプレートに高力ボルト接合する場合、平鋼の有効断面積は、ボルト孔による欠損断面積を減じたものとする。
筋かいの接合部は、筋かい本体より高い耐力を有する保有耐力接合とする必要がある。筋かいとガセットプレートが高力ボルト接合となる場合、筋かいにはボルト孔が必要となることから、接合部の耐力計算における筋かいの有効断面積は、ボルト孔による断面欠損を考慮する必要がある。
3. 梁の設計においては、強度だけではなく、剛性を確保してたわみを小さくするとともに、不安感や不快感を与える振動が発生しないように断面を決定する。
梁の設計では、作用する荷重に対して強度とたわみの検討が必要となる。梁の剛性が不足すると、歩行時の振動により床が振動することがあるため注意が必要である。たわみの制限値は建築基準法ではδ/L=1/250以下(δ:たわみ、L:梁の有効長さ)とされているが、鉄骨構造の場合、1/300以下とすることが一般的である。
4. 座屈を拘束するための補剛材には、剛性と強度が必要である。
補剛材は、梁などの局部座屈を防ぐための部材である。補剛材は、補剛材が取り付く梁などの部材が座屈しようとする際に発生する力に対して、座屈を防止するために必要な剛性と強度を満足する必要がある。
建築物及び建築設備の省エネルギー計画
1. 窓が東西面に多く配置された建築物は、南北面に多く配置された建築物に比べて、最大冷房負荷に対する部分負荷運転の割合が大きくなりやすい。
冷房負荷は、建築物内に入る直射日光量が少ないほど小さくなる。太陽高度は南面で最も高くなり、東西面で最も低くなる。窓が東西面に多く配置された建築物は、南北面に多く配置された建築物に比べて、低い太陽高度から多くの直射日光が朝晩に入るため、最大冷房負荷に対する部分負荷運転の割合が大きくなる。
2. 建築物の単位床面積当たりの熱負荷は、床面積が同じ場合、建築物の平面形状が正方形に近くなるほど小さくなる。
建築物の単位床面積当たりの熱負荷は、床面積が同じ場合、建築物の平面形状が長方形よりも正方形に近いほうが、また高さの低い建築物の方がより小さくなる。外気の影響を受けやすく、熱負荷が大きくなるペリメーターゾーンの範囲は面積が同じ場合、正方形より長方形の方が大きくなるため熱負荷が大きくなる。
3. 全空気方式による冷房運転においては、一般に、室温と吹出し空気温度との差を大きくするほど、送風機動力の低減を図ることができる。
全空気方式による冷房運転においては、室温に比べて吹出し空気温度を下げることにより送風量を低減し、送風ファンにかかる搬送動力を削減することが可能となる。送風機の能力=送風量×温度差となるため、温度差を大きくすることで、送風量を小さくすることができ、送風機動力の低減となる。
4. 空調空気の搬送エネルギーを小さくするためには、空調機を空調負荷の中心に配置する。
空調空気の搬送エネルギーは、搬送距離が長くなるほど大きくなる。搬送エネルギーを小さくするためには、空調機を空調負荷の中心に配置することが望ましい。
●本解説に使用した参考文献
国土交通省「建築士法、建築士法施行規則」
国土交通省「建築基準法、建築基準法施行令、建築基準法施行規則」
国土交通省「建築構造設計基準の資料」
国土交通省「建築設備計画基準、建築設備設計基準」
国土交通省「構内舗装・排水設計基準、構内舗装・排水設計基準の資料」
公共建築協会「建築設備設計基準」